3月18日
「お母さん、おなかが痛いよお。」
俄に緊張が走る。
「寒くない?いつから?」
夕方ベランダで遊んで冷えたからではないかと思うのだけれどやはり心配。
リンゴを煮て甘い香りがしてきたら溶いた葛粉でとろみをつけて葛寄せにして食べさせる。おなかが痛いとか風邪かなという初期症状には、これで体を温めて温かくして寝るのが良い。
でもまずは抱っこする。熱はなさそうだけど、おなかが痛いからか、おとなしくじっと丸まっている。
今月卒園式を迎えて、来月からは小学生になろうという我が子の手足は随分長くなっていた。こうして抱くといつの間にか大きくなったなあと気づく。
時のたつ早さ、子供の成長の早さが実感されて俄に焦りが湧き上がった。
子供に何を残してやれるのかなと心細く切ない気持ちも襲ってきた。
吹き荒ぶ風の音が一段と高く聞こえてきた。窓をガタピシ鳴らし続けて不安をあおってくる。
ここ数日の不安定な気持ちは、出会いと別れが交錯する季節だからだろうか。